スーパーサイエンスハイスクール事業について
本校は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の第1期(平成25年度から平成29年度までの5年間)の成果を基に、第2期(平成30年度から令和4年度までの5年間)の指定を受けています。
今期も、次の研究開発課題の下、幅広い教育活動を展開することとしました。
「挑戦する人【発見する人、貢献する人、開拓する人】を育てる半田Risk-Takers養成プロジェクト”HaRT-Project”」
プロジェクト実現の3つの柱として「出る杭発見・伸長プラン」「起業家魂育みプラン」「海外進出促進プラン」を事業展開していますが、本年度は新型コロナウイルス拡散防止のため、多くの企画をプランどおりに進めることができませんでした。
しかし、こうした環境の中でも、Risk-Takers 養成に向け、インターネットの活用や、感染防止の環境下においてできることを考え、これまでの取組みとは異なった道を模索し、実施してきました。今回、代替した取組みの中には、アフターコロナにおいても活用することで生徒の能力を引き出すのに有効な試みも見られるなど、コロナ禍をさらなる躍進への「チャンス」「節目」ととらえれればと思います。
第1 主に「出る杭発見・伸長プラン」に関わる取組
1知多地区生徒探究発表会・開催日 令和2年9月25日(金)
・会場 本校体育館、七中記念館等
・日程 12:50〜13:00 開会行事(放送で実施)
13:00〜15:20 オーラルプレゼンテーション(収録動画視聴)
ポスターセッション(各会場)
15:20〜15:40 閉会行事・講評(放送で実施)
・参加者 本校全生徒、本校教員、大学院生、高等学校教員
県教育委員会指導主事、運営指導委員、
評価委員、本校事業の指導大学教授
2高大連携事業
(1)サイエンスフォローアップ
愛知教育大学の教授、大学院生、大学生が来校。生徒たちの探求活動に対し直接指導やアドバイスをもらう。
・日程 第1回 令和2年8月28日、9月2日 12:30〜16:15 3学年探求Ⅲ(IR) 312名
第2回 令和2年12月9日 14:10〜16:00 2学年探究Ⅱ(CR) 317名
・指導・助言者 第1回 大学院生2名
第2回 教授・准教授4名、大学生8名、大学院生3名
(2)教職大学院 院生実習の受入れ
本校と連携のある愛知教育大学では、令和2年度から高等学校を対象とした教職大学院の院生実習を始めた。そこで、本年8月から来年12月の計画で、愛知教育大学教科指導重点コース理数自然科学系の院生実習を受け入れることで、長期的・多面的な指導、助言を可能とした。
・日程 教師力向上実習Ⅰ 令和2年9月〜11月の2週間 +木曜日5日
教師力向上実習基礎 令和2年12月〜令和3年3月の木曜日10
(公開講座として行い、他校生徒も参加)
・参加者 1学年探求Ⅰ 319名、SSH自然科学部50名
・指導・助言者 教職大学院生 2名
3自然科学系コンテスト
・日程 令和2年6月 名大みらい育成プロジェクト 2学年1名、1学年1名が参加
第2ステージ 2学年1名 参加
第3ステージ 同上
令和2年7月 生物学オリンピック2020 3学年2名、2学年1名が参加
第2次 3学年1名進出
令和2年11月 あいち科学の甲子園 2学年5名と1学年1名の計6名が参加
筆記と実験実技に挑戦
令和2年12月 第18回AITサイエンス大賞(愛知工業大学)
2学年1名、1学年4名→優秀賞受賞
2学年2名、1学年4名→奨励賞受賞
令和3年1月 数学オリンピック2020 1学年1名参加
令和3年2月 SDGsQUEST みらい甲子園 1学年6名エントリー
第2 主に「起業家魂(アントレプレナーシップ)育みプラン」に関わる取組
1サイエンスコミュニケーション
第1回 新型コロナウイルス感染症の拡大防止による休校の影響により中止
第2回 令和2年8月5日(水)オンライン
・講師 渡邊 誠一郎 氏(名古屋大学大学院環境学研究科・教授)
・演題 探査機「はやぶさ2」による小惑星探訪
・参加者 本校生徒46名、近隣中高生7名、保護者等5名
・講演内容
〇太陽系の構成や小惑星帯、タッチダウン時のポイントなどわかりやすくお話をいただいた
第3回 令和2年10月17日(土)
・講師 山口 茂弘 氏(名古屋大学大学院理学研究科・教授)
・演題 光る分子が拓く未来
・参加者 本校生徒42名、保護者等1名
・講演内容
〇自らの手でデザインし、合成して生み出した物質が蛍光を発した時の、純粋な感動やわくわく感などの研究のおもしろさや醍醐味をお話いただいた。また最新の成果だけでなく、研究とはどういうことなのかについてもわかりやすくお話いただいた。
第4回 令和2年12月18日(金)
・講師 久野 純治 氏(名古屋大学大学院理学研究所・教授)
・演題 宇宙暗黒物質は未知の素粒子か?
・参加者 本校生徒39名、近隣中高生1名、保護者等5名
・講演内容
〇物質の構成や素粒子とは何か、宇宙暗黒物質の正体は何か、について最近の知見も交えて講演いただいた。目には見えないものを観測することによって宇宙の起源を探るという壮大かつロマンのあるお話をしていただいた。
第5回 令和3年2月22日(月)オンライン
・講師 森 郁恵 氏(名古屋大学大学院理学研究科・教授)
・演題 線虫をモデルとした脳科学のフロンティア研究 〜前例を作り、道を創る〜
・参加者 本校生徒29名、保護者等4名
・講演内容
〇脳が神経回路でどのような情報処理が行われているかという神経科学における最重要課題に対する解を、線虫を用いて探っていく過程について、最新の知見を交えてお話しいただいた。氏が研究者を志すきっかけや、線虫(C.elegans)を研究材料として用いるに至った経緯など自身の経験をもとに、話していただいた。
2医師と語る会
・日程 令和2年12月23日(水)12:30〜13:30
・場所 普通教室(Zoom を利用してアメリカとリモート接続したオンライン開催)
・講師 船戸 真史 氏(本校卒業生)
医師(家庭医療専門医)・ハーバード大学公衆衛生大学院学生
・参加者 1学年14名、2学年10名、3学年6名
・講演内容など
〇講演は、本校進路指導部と提携して実施された。船戸氏は、本校57回生(2006年卒)で医師免許取得後、島医者として活躍した後、より高度な医療について学ぶためハーバード大の公衆衛生大学院に現役医師でありながら在学している。事前に生徒から募った医療に関する質問に答えたり、自身の在学中から島医師時代を経て現在に至るまでの経緯をわかりやすく伝えていただいた。質疑応答では、医療分野にこだわらず、オンラインであることを感じさせない活発なものとなった。
第3 主に「海外進出促進プラン」に関わる取組
1海外の高等学校との交流
(1)国際オンラインシンポジウム(A’ACS)の企画運営
・日時 令和3年1月24日(日)、30日(土)
・参加校 タイ・マヒドン(MWITS)校 6名
シンガポール・National Junior College(NJC) 5名
早稲田大学本庄高等学院(WH) 11名
愛知県立半田高等学校 6名、企画運営委員会生徒
・日程 1月24日 アイスブレイキング
学校紹介、文化紹介、地域紹介、グループトーク
1月30日 リサーチプレゼンテーション
グループトークプレゼンテーション
2国際的な自然科学系発表会・交流会
(1)JSSF(Japan Super Science Fair) 2020 online
・主催者 立命館中学校・高等学校
・日時 令和2年11月1日(日)、7日(土)、8日(日)
・参加 SSH自然科学部 2学年1名、1学年2名
(2)TISF(Thai International Science Fair)2021 online
・主催者 Mahidol Wittayanusorn School(MWITS)
・日時 令和3年1月5日(火)〜7日(木)
・参加 SSH自然科学部 2学年1名、1学年2名
(3)A’ACS(Asia Academic and Cultural Sessions) online 再掲
・主催者 半田高校、早稲田大学本庄高等学院
・日時 令和3年1月24日(日)、30日(土)
3科学英語プレゼンスキルアップ講座
・日程 第1回〜第13回
・場所 本校
・参加者 第1学年及び第2学年の希望者34名
・講師 日本福祉大学教授 小倉美津夫氏
・内容
第1回 プレゼンテーションとは何か、プレゼンテーションサンプル紹介
第2回 良いプレゼンテーションとは何か、質疑応答練習
第3回 自己紹介プレゼンテーション グループ1
英語での質疑応答練習、発音・発声指導
第4回 自己紹介プレゼンテーション グループ 2
英語での質疑応答練習、発音・発声指導
第5回 アジア留学生(ネパール・ベトナム)による発表、質疑応答と交流会(1)
第6回 英語によるプレゼンテーションスクリプト作成
↓ 発音・発声指導
第8回
第9回 アジア留学生(ネパール・ベトナム)による発表、質疑応答と交流会(2)
第10回 英語によるプレゼンテーションスクリプト作成
↓ 発音・発声指導
第11回
第12回 英語プレゼンテーション発表 グループ1
第13回 英語プレゼンテーション発表 グループ2 表彰式
第4 学校設定教科・科目 〜「探究」を中心として〜
教科 科目名 単位 対象
探究 探究Ⅰ(FR ファンダメンタル リサーチ) 2 第1学年
探究 探究Ⅱ(CR コラボラティブ リサーチ) 1 第2学年
探究 探究Ⅲ(IR イノベイティブ リサーチ) 1※ 第3学年
情報 情報科学と社会 2 第2学年
英語 プラクティカル イングリッシュ 2 第2学年
※探究Ⅲの1単位は、前期の時間割に2単位扱いで実施。
後期は実施せず、通年で1単位としている。
第5 SSH自然科学部・SSH数学部
本年度は、主に次のような研究発表会に参加した。
8月・令和2年度SSH生徒研究発表会 ※動画発表
「廃プラスチックを利用した自作陽イオン交換樹脂の可能性」3学年4名
・令和2年 SSH課題研究交流会(名古屋大学)※動画発表
「身近なもので簡単に発電〜色素増感太陽電池〜」 3学年5名、2学年1名、1学年7名
「廃プラスチックを利用した自作陽イオン交換樹脂の可能性」3学年4名、2学年3名、1学年4名
「えっ!? お湯が水より早く凍る〜ムペンバ効果〜」 2学年3名、1学年2名
「プラナリアの再生と密度効果の関係」 2学年4名、1学年2名
「酒石酸塩の自然分晶の思索」 3学年1名、2学年1名
「カシオソームの移動の軌跡」 1学年1名
「師崎層群内の各年代の生物相」 1学年2名
・海外研修生徒発表交流会(明和高校)
「Ions in seawater affect the growth of plants…What ions have the most impact?」3学年1名
11月・あいち科学の甲子園2020 2学年5名、1学年1名
・Japan Super Science Fair 2020(立命館高校) Web開催 2学年1名、1学年2名
12月 第18回AIT(愛知工業大学)サイエンス大賞 ※論文・スライド審査
「身近なもので簡単に発電〜色素増感太陽電池〜」 2学年1名、1学年4名→優秀賞受賞
「廃プラスチックを利用した自作陽イオン交換樹脂の可能性」 2学年2名、1学年4名→奨励賞受賞
1月・TISF(Thai International Science Fair)2021 online 2学年1名、1学年2名
・A’ACS(Asia Academic and Cultural Sessions) online
「The planarians regeneration’s deference among parts of planarian」2学年3名
「Boiling Hot Water Freezes Faster Than Water-Mpemba Effect-」2学年2名→Commentor Award 受賞
「Potential of Cation Exchange Resin Reproduced by Waste Plastics」1学年4名
2月 高文連 自然科学専門部 研究発表会 ※Web開催
「身近なもので簡単に発電〜色素増感太陽電池〜」 2学年1名、1学年4名 優秀賞受賞
「廃プラスチックを利用した自作陽イオン交換樹脂の可能性」 2学年3名、1学年4名 優秀賞受賞
「えっ!? お湯が水より早く凍る〜ムペンバ効果〜」 2学年3名、1学年2名 優秀賞受賞
1月 数学オリンピック2020 1名参加